織る、野を。
不均一なもの、未完成なものの美しさ
変化し続けること、既成と偶然の合間
冬の野を奔る凍てた空気
晩夏の朝に歌う虫達の声
自然の中の造形の力強さ
意図のない世界の価値観
情緒を身体が謳う服をつくろう。
京都、八瀬。私たちはここでクリエイションをしています。
市内から20分。長く独自の文化を継承する、古い里です。
山間に寄り添う人の営みがあり、
その手が届く距離に深い森が息づいています。
四季は里と森に鮮明に瞬き、
動植物は時に私たちを飲込む強さを見せます。
私たちは、たくさんではない服を自ら少しずつ作ります。
機能的で生活に必要な服はすでにたくさんあります。
それも必要ですが私たちは違う価値の服を紡ぎたい。
人が一人ずつ違う様に、服も全て不均一が美しい。
既製服を背景に作る、日常の一点物を提案します。
自分達の手で型紙を引き、素材を選び、縫い、洗う。
着る人の身体にそって歪むように、あえて不均一に。
長い時が生きる里で人の営みの一つに帰り、服を作ります。